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ドラマと原作を見た上での「地面師たち」感想

まえがき

若干ブームのピークは過ぎた感はあるけど、「地面師たち」のドラマと原作を見た。感想を書いていこうと思う。

前提としてなんだけど、ドラマ・原作、どちらも面白かった。

そもそも俺自身、ドラマ→ほぼ見ない。小説→まれに読む。みたいな人間なんだけど、そんなどちらにも馴染みがない人間でも楽しむことができた。

ざっとあらすじ。

「地面師」という不動産に関連する詐欺を行うグループにフォーカスを当てた、いわゆるクライム・サスペンスだ。

主人公…と言っていいのかわからないが、物語は主に辻本拓海という男の視点で進む。

ほかに主な登場人物は、グループのリーダー格であり変態で天才のハリソン山中。声がデカい関西人の後藤、シャブ中の竹下、紅一点の麗子。

そんな愉快なメンバーたちが、人死にがゴロゴロ出るような百億の土地の詐欺に挑もう…といった話。

 

面白かったところ

これに関しては、原作とドラマで結構違う。

敢えて共通する点を挙げるなら、やはりこの作品の目玉。緊張感溢れる取引のシーンだろう。

地面師たちとしても一歩間違えれば逮捕、不動産会社としてもうん億の取引なので下手は打てない。どちらの媒体でも見ごたえがあった。

もう一つ。これはめちゃくちゃ悪趣味だと思うんだけど、詐欺被害にあった人たちが壊れていくシーンが良い。

特にドラマ版、マイクホームズという会社の社長が詐欺にあったことに気づくシーン。最初の方は若干の焦りと面倒なことになったという怒りが先立っている…が、内心では「金が帰ってこないなんてことはない」と思っている演技に見えた。

しかし、刑事との会話で金が帰ってこないことを知り、一気に焦り・怒りが絶望にシフトしていく…。このシーンがすごく好き。俳優さんの演技が光るシーンだった。

 

原作とドラマ版の違いとか

大筋は変わらないんだけど、ぼちぼち違うところがある。

細かいところであれば、百億の物件の話が地面師グループ内で上がった時、原作では書類での説明に留まっていた。対して、ドラマ版では実際に現地に足を運んでいたりする。本当に細かいところだけど。ドラマ化に際した工夫みたいなものを感じた。

細かくないところで言うと、地面師グループを追う警察サイドの設定がある。原作では辰という定年間近の刑事一人だが、ドラマ版ではそのバディに倉持という女刑事を添えている。ここら辺はアニメのドラマ化とかでも良く聞く奴だ。

実際、原作の辰視点の話をそのまま映像化しても地味すぎる気はするので、ここは良い判断だったのかなーと思う。

 

残念だったところ

概ねうまく映像化されてるなーって感じだったんだけど、惜しいところもあった。

特に気になったのは、ハリソン山中のキャラクターかな。

ハリソン山中は、地面師グループのリーダー。先見の明に秀でた知能犯。サイコパスっぽい一面も併せ持つ男…なんだけど、原作とドラマ版ではちょっとイメージが違う。

例えば、原作で麗子に仕事を頼むシーン。麗子はその仕事を嫌がるんだけど、原作では金で「説得」することになる。

対して、ドラマ版。ハリソン山中は髪を引っ張りながら、「やらないと殺すぞ」…と、「説得」した。

こことか、原作のキャラクターだったらやらなさそうな手法だなとは思った。

やってる仕事が仕事だけに、裏切られたら終わりなわけで。表面上はあくまで平等な仲間ですよ、ってアピールするのが賢い動きだと思う。(実際にどうかはさておき)

原作のハリソン山中はその賢い動きができる人間だったので、そこに違和感を感じたのかもしれない。

違和感を言語化するなら、原作でもドラマ版でも知性で暴力性を覆い隠している異常者であることに違いはないと思う。ただ、ドラマ版ではその暴力性を隠しきれていない…って感じかな。それによって肝心の知性の方にもぼろが出ているように感じてしまった。

まあ、、ドラマ化するにあたってのキャラクター変更だって言われればそれまでかも。実際、ドラマ版のキャラクターもこれはこれで魅力的で良かったし。

 

まとめ

全然書く気が起きなくて、結構時間が経ってこの記事を書いた。なので、色々忘れてたりした。もうちょっと見た(読んだ)直後は書きたいことたくさんあったはずなのに。

備忘録的な意味で始めたブログなのにこれじゃ意味ないな…と反省。

続編やスピンオフも出ているっぽい。そっちも読みたい。